メディアの成立によるメンタリティの違い
先日、ネットでメディアを持っている会社(口コミサイト)の社員の方とお会いする機会があって、お話を頂いてきた。
また、それとは別に、雑誌の編集長の方とお会いする機会があって、お話を頂いてきた。
その時に感じたのは、コンテンツの成立の違いからくるメンタリティの違いである。それについて書いてみる。
・口コミサイト(以下ネットメディア)について
口コミサイトは基本集合知によって成り立っている。そして、その集合知を利用してコンテンツを価値のあるものにしているのである。よって、視聴者というか利用者というか、彼らはコンテンツ作りに深く関わっていることになる。
・出版社(編集長さん)について
出版社のコンテンツは、基本的にすべて編集者が作り上げる。雑誌は編集長のものという言葉にもあるとおり、編集長の感性によってつくられる。よって読者はほとんどそのコンテンツ作りに関わることがない。
・ネットメディアの社員さんが出版社を見て言った言葉
「殿様商売」
なるほど。みんなで創っていこうという集合知のメンタリティから見てみれば、すべて自分で作ってしまう出版の仕事というのはそういうふうに見えるものなのだろう。
・編集長さんのことば
マーケティングで作った雑誌は面白くない
なるほど。読者受けだけを狙ってしまうと非常に面白くない雑誌ができてしまうというのだ。考えてみればその通りかもしれない。その雑誌の持つブランドやにおい、雰囲気、色というものはなくなってしまうのかもしれないと感じる。
・これから
ネット、デジタルの発展は、コンテンツの成立の道筋をまったく変えてしまったと思う。電子書籍云々だけの話ではなく、出版業に迫る危機というのは沢山あると思う。vingowやnaverまとめなどによって、個人が編集長となることのできる環境はあるし、ブログなんかでも簡単に「書く」ということができてしまう。
そしてソーシャルとかシェアとかいう言葉がはやっているように、どうも出版社にはよくない動きが加速されているとも感じる。こういった動きからすれば、集合知的なメンタリティが大勢を占めるようになるかもしれない。
しかし、編集長さんの言葉にあるように、マーケティングで作った雑誌は面白くない。マガジンハウスから出ているリップスという雑誌がある。この雑誌、マーケティングに基づいて作られた雑誌らしいのだが、確かにマガジンハウスの色、みたいなものはない。
出版社は非常に難しいところにあるのかもしれない。集合知が主流になったからといってそちらにかたむいてしまうとコンテンツの面白さは消えてしまう。
さあこれからどうなるのだろう。
(なんて中途半端)